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お茶の地産地消で温暖化防止

京都府地球温暖化防止活動推進センター コーディネーター西澤浩美

京都府地球温暖化防止活動推進センター 西澤浩美

地元で採れたものを選ぶことのメリット

食材の地産地消が温暖化防止に繋がることを皆さんはご存知ですか? 日本は自給率が4割と低く,食料輸入のための輸送エネルギーがかかっています。そこで,地元のものを食べることで輸送エネルギーによるCО2排出を減らす取組を,京都府地球温暖化防止活動推進センターでは進めています。京都府産野菜や米,京都で水揚げされた水産物の利用拡大とともに,ペットボトルのお茶でなく茶葉を使い,さらに同じ茶葉でも京都府産茶葉を使う地産地消も進めていますが,その理由は2つあります。

地元で栽培されるお茶がある,京都のステキさ

まず,京都では宇治茶に代表されるお茶が地元で作られています。これってとてもステキなことです。遠くから茶葉を運んでくる必要もないので,環境負荷も少なくてすみます。

お茶を京都の茶葉で飲むことのありがたさを私が実感したのは,2012年秋にイギリスに短期滞在した時です。イギリスでは紅茶を飲む文化が残っていて,紅茶を楽しむ機会が圧倒的に多かったのです。イギリスの各地に,その土地の水の硬度に合わせてブレンドされた紅茶があり,そのおいしいこと。私の住んでいたシェフィールドはヨークシャー州内にあり,「ヨークシャー茶」というパッケージの紅茶が売られていました。でも,日本とイギリスで根本的に違うのは,「ヨークシャー茶」の茶葉はインドやアフリカから輸入されたもの。京都だったら,京都産茶葉でお茶が飲めるのですから,京都にいるなら京都のお茶を飲まなくてはもったいない,そう思ったわけです。

水道水でおいしいお茶を!

また,わざわざ遠くから運ばれて来たペットボトル飲料水を飲まなくても,京都では蛇口をひねれば,おいしいお水が手に入ります。これも京都のステキなところ。このことを痛感したのも,イギリス滞在の経験からでした。

イギリス滞在中は,借りたアパートが古く水道水で料理をするのがちょっと不安だったこと,そして3ヶ月の短期滞在だったので,飲料水や料理にペットボトルの水を利用しました。2人暮らしでたまに外食をすることもありましたが,ある時,1週間でどのくらい水を使うのか調べてみたら18リットルの水を使いました。単純計算すると3ヶ月で216本ものペットボトルを使ってしまう計算です。空きペットボトルのかさ張ること。

ペットボトルに頼らず,京都の水道水でおいしいお茶が淹れられるのに,そうしないのはもったいないと痛感しました。

「急須でお茶を淹れる」を当たり前の風景に!

 私が子どもの頃は,急須でお茶を淹れるのは当たり前のことでした。しかし,現代は急須がないご家庭もあるようです。そこで,子どもたちにも地元産茶葉を使って急須でお茶を飲む大切さを伝えるプログラムを実施しています。

たとえば,新茶を摘んで手揉み茶をホットプレートで作るプログラムを毎年5月に木津川市子どもエコクラブのメンバーに体験してもらっています。

また,小学校の総合的な学習の時間に「飲み物の容器の環境負荷について考える」授業も実施し,お湯のみや水筒は環境負荷が低いことを知ってもらいます。

このような活動を通じて,京都の茶葉でお茶を淹れることが,食卓の当たり前の風景として戻って来てくれればと願います。(2017年3月18日公開)

西澤浩美 京都府地球温暖化防止活動推進センターコーディネーター
木津川市子どもエコクラブサポーターの会会員

それぞれの活動については,下記のHPでご覧頂けます。
※木津川市子どもエコクラブ
http://kizu-jec.jp/contents/act/201605.html
※京都府地球温暖化防止活動推進センターの低炭素食材プロジェクト
http://www.kcfca.or.jp/food/

以上

京都府地球温暖化防止活動推進センター http://www.kcfca.or.jp/

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