おいしいお茶の淹れ方講習を開催しました。

開催の経緯

平成30年2月18日,立正佼成会京都教会(東山区)にて,「おいしいお茶の淹れ方講習(煎茶)」を実施しました。
同教会は,昨年12月,京都市から「2R及び分別・リサイクル活動優良事業所」に認定されています。また,京都市ごみ減量推進会議(以下,本会議)との関わりでは,会員として秘密書類リサイクル事業に早くから参加されるなど,日ごろから熱心に環境活動に取り組んでおられます。
今回の講座は,昨年10月に本会議の会員団体に内部研修としての開催を呼びかけ,応募のあった同教会での開催となりました。

参加者の反応など

今回の「おいしいお茶の淹れ方講習」の参加者は30名。30歳代以下が10名(うち10代3名),40~50歳代が12名,60歳以上6名と,各年代まんべんなく参加がありました。
他の開催報告でもお伝えしている通り,日頃から緑茶に親しんでいる人たちであっても,茶葉の量,お湯の温度,浸す時間,注ぎ方など,日本茶インストラクターの指導通りに淹れると,いつものお茶と味が変わることに驚きの声があがります。ペットボトル緑茶では味わえない緑茶の味わい,奥深さを知っていただくことで,ペットボトルの発生抑制への寄与を目的に,本会議はこの事業に取り組んでいます。
今回の講座では,「今後のリーフ茶の利用」を問うたところ,参加者30名中,28名から「確実に増えそう」「増やしたいと思う」という回答がありました。参加者の声は「リーフ茶愛好宣言」に掲載しますので,そちらをご覧ください。

今回の報告は,「おいしいお茶の淹れ方」の手順を紹介

今回の報告は,おもに「おいしいお茶の淹れ方」を報告します。
今回のインストラクターは,京都府から宇治茶伝道師に認定されている松石三重子さんと,松石博美さん,高田史さん(いずれも日本茶インストラクター有資格者)に指導していただきました。
以下は,当日の講義をもとに本会議事務局でまとめ,加筆したものです。

おいしいお茶の淹れ方

お茶をおいしく淹れる要素

お茶をおいしく淹れる要素として,茶葉の量,湯の量,湯の温度,湯に浸す時間,注ぎ方などがある。さらに大切な要素として「水」がある。水道水を使う場合,2~3分沸騰させることで,カルキ臭を除くことができる。
茶葉の量は1人あたり2~3グラム。上質な茶葉は,見かけは少なくても重さがある。また上質な茶葉は,一煎だけでなく四煎,五煎と飲むことができる。後になるほど味が薄くなるのではなく,湯の中で茶葉が開くことで,旨味や渋味が出て,味が変わっていく。その味の変化を楽しんでもらいたい。

一煎目の茶はぬるい湯で

一煎目の茶は,40℃程度の湯温で淹れることで甘みを味わうことができる。沸騰後ポットに入れたお湯は90℃程度になっている。急須に注げば80℃程度。まだ熱いので,湯ざましを経て,湯のみに移す(湯のみは人数分を用意する)。器を変えるごとに10℃程度湯の温度が下がっていく。
人数分用意した湯のみに注いだ後,急須に余っている湯があれば,捨てる。急須の湯を捨てた後,飲む人の分量に合わせて急須に茶葉を入れる。
湯のみの湯を急須に戻す。この際,湯が茶葉に均等にかかるように輪を描くように湯を入れる。
30秒ほど待つ。湯を入れた後の急須は,振ってはいけない。

注ぎ方

湯のみが複数あるとき,茶が均等に注がれるよう「まわしつぎ」をする。湯のみが3つある場合なら,少量ずつ,1つ目の湯のみ,2つ目,3つ目と注ぎ,その後は,逆の順で3,2,1と注ぐ。これを繰り返し,急須に茶が残らないように注ぎきる。
茶を注ぎきった急須は,熱がこもらないようフタを少しずらして置く。フタの穴は,急須の口の方に向ける。
緑茶は製茶の行程で,葉を蒸した後,揉まれて針状になっている。この葉が開くことで味が変わっていく。一煎目を淹れた時,急須に残った茶葉は,少し開きかけている。

二煎目をおいしく淹れることができれば

二煎目の茶は,一煎目の茶より少し熱いお湯で淹れる。二煎目の茶をおいしく淹れることができれば,何煎目もおいしく淹れることができる。
ポットから湯を,湯ざましを経て,急須に入れる。湯の量は茶葉が浸る程度にとどめ,必要以上に注がない。茶葉が開いているので,すぐに湯のみにつぐ。注ぎ方や淹れた後の急須のフタの扱いは一煎目と同じ。

三煎目の茶は,茶菓子と相性がよい

茶葉が完全に開ききるまで,お茶を飲むことができる。淹れ方は二煎目と同じ手順で。
一煎目は甘みがあり,二煎目以降,うま味や渋味が出て,一煎目とは違う味を楽しむことができる。お茶に合わせて茶菓子をいただくなら,三煎目がよい。一煎目は茶の甘みが,菓子の甘さでわかりづらくなる。

上質な茶葉は,むしろリーズナブル

上質な茶葉であれば,四煎,五煎と淹れてもおいしいお茶を飲むことができる。また,少ない茶葉の量で,かつぬるい湯でおいしく淹れることができる(その分,ごみも少ない)。
「上質な茶葉は,価格が高い」と思う人も多いが,おいしさや淹れることができる回数など,別の観点から「価格」を考えてもよいのではないか。

五煎または六煎目まで淹れたら

五煎または六煎目まで飲み,茶葉が開ききった後には,別の茶の楽しみ方がある。湯を注ぎきった後の茶葉は食べることができる。よく知られているように茶には,多くのビタミンや栄養素が含まれるが,液体の茶にエキスとして抽出されるのは,茶葉がもつ栄養素の3割程度といわれている。残り7割は茶葉に残っている。その茶葉を食べることは,とても理にかなっている。お好みでポン酢をかけるなど様々な楽しみ方がある。

茶葉まで食べれば,簡単においしくごみゼロ実現

茶葉の利用方法として,乾燥させて袋に入れ,冷蔵庫などの脱臭剤として用いたり,畳の掃除や堆肥にするなど,様々な利用方法がある。しかし「食べる」ことで,より簡単に,かつおいしくごみゼロが実現する。

当日の参加者の声,アンケートの結果

茶葉を食べた参加者の声

当日の参加者からも以下の声があがりました(一部)。

「(茶を淹れた後の)茶葉を食べると聞いて,最初は驚いたけれど,食べてみたら,ホウレンソウみたいで,とてもおいしかったです。」
「ほんの少しの配慮で,こんなにもおいしいお茶が楽しめるとは思いませんでした。これからは少しずつでも良いお茶を淹れたいと思います。茶葉にポン酢をかけたら,本当においしかったです。」

他の参加者の声は「リーフ茶愛好宣言」に後日掲載します。

アンケートの結果

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