こんな時だからこそ、減らせるごみはないか考えましょう

増えるごみがある一方、減らせるごみはないものか

 新型コロナウイルスによる感染症予防のため、医療、介護の現場ではマスク、手袋をはじめ衛生用品など通常より多くのごみが出ています。また、飲食店でもこまめな店内清掃などでいつもより多くのごみが出ていると思います。

 どうしても増えざるを得ないごみがある一方、このような時だからこそ、減らせるごみがないか考えましょう。特にプラスチックごみの削減は、世界的な課題の1つです。

図1 日本国内からのプラごみ排出量(1980年以降だけでも、20年で3倍に増えている)

暮らしを豊かにしてくれたプラスチック、でも便利すぎて頼りすぎた…

 近年、プラスチックリサイクルには様々な問題があることが多くの人に知られるようになりました。暮らしを豊かにしてくれたプラスチックですが、便利すぎて頼りすぎた弊害が生まれています。国内でリサイクルしきれない大量のプラスチックごみが海外(その多くが発展途上国)に「輸出」されていました。2017年末には、それまで最大の廃プラ輸入国だった中国が、外国からの廃プラ受け入れを停止し、日本をはじめ世界のプラスチックリサイクル市場が混乱しました。


図2 日本からのプラごみ輸出先(2018年以降中国以外への輸出が増えている)

結局廃プラの輸出先は、プラごみ海洋流出の多い国

 2018年度以降、日本から海外への廃プラ輸出は大きく減りましたが、それでも年間100万トン前後の廃プラが「輸出」されています。中国以外への「輸出」が増えましたが、その行先の多くは、かつて「廃プラの海洋流出が多い国」と指摘された国です。日本から輸出された廃プラが、そのまま海洋流出しているわけではありませんが、廃棄物管理が不十分な国に大量の廃プラが輸出されていることは知っておく必要があると思います。

「分別リサイクルすれば解決」ではない

「プラスチックは分別すればごみにならない」ではなく、プラスチックの大量消費そのものを見直す必要が生まれています。

 ですが、私たちの暮らしは多くのプラスチック製品に支えられています。使い捨て(シングルユース)用品の中には、簡単に減らせないものもありますが、工夫次第で減らせるものもあります。その1つに、私たちが日常生活の中で使うPETボトル、特に飲料用ボトルがあります(つづく)。


画:ハイムーン

図表の出典
図1:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2018プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」より、2019.12発行
図2:財務省貿易統計 普通貿易統計品別国別表「輸出」より。中国には香港、マカオを含む。データは(暦年1月から12月まで)。
http://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm
2020年2月13日確認
表1:同上
表2:Plastic waste inputs from land into the ocean Science 2015 Jenna R. Jambeckらの研究による

 

 

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