私の茶器自慢( 斎藤 敬)

 木製の湯呑です。軽く手触りもよく,落としても割れません。熱湯を入れても大丈夫,持つ手に熱さが伝わりません。
15年ほど前,私が和食器の仕入担当をしていた時,よく集会所とかで利用される陶器の「玉湯呑」が,本当によく売れていました。たぶん,乱暴に扱われて,すぐに「割れ」「カケ」が生じるため,買い替え需要があったのだと思われます。
 「もったいない」という気持ちもあり,割れにくい漆器でこの「玉湯呑」を作って販売しようと考えました。そこで安土桃山時代から続く木製器の産地で,江戸時代中頃以降,漆器の産地として有名になった石川県山中の漆器職人に依頼して,特別に作ってもらったものです。
 清水焼,有田焼,備前焼などすぐれた焼き物産地が全国にありますが,木製の湯呑は珍しいと思います。10年以上愛用している,私の自慢の茶器として紹介させていただきます。
 斎藤 敬(日本チェーンストア協会関西支部参与。京都市ごみ減量推進会議常任理事)

ページの先頭へ