人づくりだ

「リーフ茶の普及で…」大学生向け環境教育プログラム 平成29年度実施報告

京都市ごみ減量推進会議堀 孝弘

5大学,925名の受講者アンケートから多くの成果を得た

平成29(2017)年度,京都市内の5大学の講座にゲスト講師として招かれ,昨年度京都市ごみ減量推進会議(以下,本会議)が開発した大学生向け環境教育プログラム(以下,本プログラム)を実施する機会を得ました。受講した学生から提出されたアンケートも計925枚になり,そこから見えた学生たちの意見や声などから,多くの成果が得られました。
以下,この稿ではアンケートから見えた本プログラムの成果を,「実施したブログラムの概要」「本プログラムの目的」「平成28年度の成果と29年度の課題」「平成29年度の成果」「まとめと今後の課題」の順に報告します。

実施したプログラムの概要

プログラムの内容は,「リーフ茶の普及で,ペットボトルを減らそうキャンペーン」サイトの「どうしてリーフ茶の普及なの?」と「どうしてペットボトルを減らそうなの?」の掲載情報をもとにしています(表1)。リーフ茶とは,茶葉から淹れた茶のこと。近年緑茶の国内消費が大きく減少し,ペットボトル入り緑茶の比重が高まっています。ペットボトルリサイクルは社会に根付きましたが,年々増えていくペットボトルのリサイクルには,大きな労力と費用が必要です。
また,最近では「家でお茶を淹れることが少なくなった」や,「お茶の淹れ方を知らない」といった人もあらわれています。このままペットボトル緑茶の消費が増え続けるならば,ごみ問題だけでなく,文化面も含めて,様々な影響が出るとの思いから,本会議では平成28年度から「リーフ茶の普及で,ペットボトルを減らそうキャンペーン※1」に取り組んでいます。
本プログラムは,その一環として実施しているものです。表1は本プログラムの内容を示しています。図1は今年度(29年度)に実施した講義の概要と,学生たちに配布したアンケートです。アンケート中の「特に印象深かったパートに,○を入れてください」という質問項目は,本プログラムの内容と構成を反映しています。(以下,図表はクリックすると別ウィンドウで表示されます。)

図1 実施プログラムの概要と学生に配布したアンケート

本プログラムの目的

本プログラムを実施する目的は,リサイクルよりも大切な2Rの考えの普及と,2R実践行動のきっかけをつくることにあります。入り口は「緑茶」であり,「ペットボトル」を話題としていますが,「暮らしのアウトソーシング化(何でも買って済ます。茶も淹れられない)への歯止め」や「消費のあり方」「需要創造と自身の選択基準」なども話題にしています。
内閣府の調査では,近年,環境問題,中でもごみ問題への関心が低下しています※2。そのような中,テーマとして取り上げるペットボトル飲料は,大学生にとっては生まれる前から存在し,多くの学生が日常的に利用しています。持ち運びしやすいうえ魅力的な商品も多く,かつ手頃な価格で売られているペットボトル飲料に対し,「減らそう」というメッセージが大学生たちに受け入れられるのか,また,どのような話題に対して関心や共感を得ることができるかなどの把握も目的の1つとしています。
「リーフ茶の普及」を取り上げたのは,数あるペットボトル飲料の中でも,近年緑茶飲料が,ミネラルウォーターと並んで消費が大きく伸びていること,京都という土地柄を考慮して,様々な立場の個人や主体から協力が得られると期待したからです。何よりペットボトル飲料に対する身近な代替手段であり,より上質な暮らしや,支出抑制の提案につなげやすいことなどもあげられます。

平成28年度の成果と29年度の課題

(1)昨年度(平成28年度)の成果

昨年度(平成28年度)は,同志社大学政策学部の2講座で実施する機会を得ました。同学部ですが2講座は別の教員の担当講座で,学生の重複はなく,いずれも10数人の少人数クラスでした。その成果は「リーフ茶サイトをベースにした大学生向け環境教育プログラムの実践報告」で紹介しています。
要点を紹介すると,講義開始前に,「ペットボトルを減らそう」とのプロジェクト名を聞いて,「興味・関心」あるいは「疑問・反感」のいずれを感じるか,「今の気持ち」をアンケートの上部に記したスケールに印を付けてもらいました。講義で,緑茶消費の現状,ペットボトルが与える環境負荷,ペットボトルリサイクルの現状など一通り紹介した後,同じ質問をし,印を付けてもらいました。
「特に関心なし」を0とし,「疑問や反感の方が大きい」の最大値を−10,「共感した。関心を持った」の最大値を10として各学生が印を付けた位置を数値化し,講義前後の平均値を比べたところ,学生回答の平均は,それぞれ5.19ポイント,3.36ポイント,「興味・関心」(左方向)へ移動しました(図2)。

(2)今年度(平成29年度)の課題

昨年度の成果を受け,今年度(29年度)の課題として,以下を明らかにすることを考えました。
○28年度は少人数クラス2講座での実施だったが,より多くの学生を対象にした講義でも同様の成果が得られるか。
○講義内容の理解・共感だけでなく,ペットボトル飲料を減らそうという思いを引き出すことができるか。
○大学や学部,学年による関心ポイントの違いはあるか。
これらを明らかにすることを念頭に入れて,29年度,京都市内の大学を対象に,本プログラムの受け入れ先を得るため,各所に依頼をしました。

平成29年度の成果

(1)受講者数

平成29年度の成果を,「受講者数」「アンケートの結果から見える傾向」「自由記述から見える反応」などの順に見ていくことにします。
まず受講者数ですが,29年度計925人になります。同じ環境教育プログラムを,大学の枠を越えて,この規模で実施したこと自体,成果としてあげることができるかと思います。ちなみに京都市内の大学に通う学生(学部生,昼夜)の総数は約12万人※3。925人はその約0.8%にあたります。

(2)アンケートの結果から見える傾向

ア プロジェクトへの共感・関心

アンケートの結果を報告します。昨年度のアンケートと同様に,「プロジェクト名から受ける印象」を尋ねました。「共感・関心」か「反感・疑問」かを,講義の開始前と講義後に尋ねた結果を,表2と図3に示しています。スケールに印を付けた位置の平均が,8クラスの平均で,講義後は左方向(共感・関心)に約3.3ポイント移動しました。
昨年度少人数クラス2講座での実施をまとめた図2と比べても,大差のない移動幅が見られました。大教室で100人以上を対象とした講義でも,順を追った説明をすることにより,「ペットボトル」という学生にとって身近で便利なものを対象にした環境学習で,学生たちからの「共感・関心」の引き出しが可能であることが明らかになりました。

表2 プロジェクトの印象(講義前と後)


図3 プロジェクトの印象(講義前と後。表2を図示)

イ 印象深かった話題

アンケートには,講義の中で「どのパートが印象深かったですか」という問いを設けました。講義中で取り上げた話題をもとに,選択肢を14項目設け,最大5ヶ所まで複数回答可で○を記入してもらいました。表3はその結果をまとめたものです(図4はそのグラフ)。黄色は関心が高かった話題の上位3位まで。水色は関心が低かった3位までを表しています。これを見ると最も関心が高かった話題は,全校「ペットボトルの環境負荷の大きさ」で共通し,本プログラムが伝えたいメッセージが学生に届いていることが感じられました。

表3 学生アンケートの結果(講義の中で,印象深かったパートはどれですか)

もっとはっきりしているのは,関心が低かった話題。下位4位までで見ると全クラス共通しています。「(緑茶は)日本,京都の暮らし・文化の背景」「重要な地場産業」「(ペットボトル飲料の)消費の増加と追いかけリサイクル」「リサイクル費用負担の不公平さ」の4項目です。センセーショナルな話題ではありませんが,持続可能な社会を築くうえで,重要な要素を含んでいます。それだけに,ごみに関する環境教育が,ESD※4の中で存在感を発揮し,SDGs※5の実現に寄与するため,プログラム実施時の「伝え方」も含めて,本プログラムの改善点としての検討する必要があると思います。ただ,後述のように大学によっては,「自由記述」の中で「消費の増加と追いかけリサイクル」「費用負担の不公平さ」に多くのコメントが記載されていました。この差異をどのように捉えるか検討が必要であると思います。

図4 印象深かった話,関心を持った話(表3をグラフ化)

ウ ふだんのペットボトル飲料の利用と,今後の利用

最初に実施した立命館大学産業社会学部(4月19日実施)を除く7クラスで,「ふだんのペットボトル飲料(緑茶に限らず)の利用※6」と,「今後のペットボトル飲料の利用について※7」を尋ねました(図1の右上,赤枠で囲った部分)。これらの質問から,学生たちがどのような反応を示したか,表4と図3に示します。
講義前に「ふだんのペットボトル飲料(緑茶に限らず)の利用は?」という質問に対して,「よく利用する」と答えた学生の率は,7クラスの平均で40%近くになり,現在の学生たちの生活実態がよく表れています。ただし,中身を見ると「よく利用する」の率は京都光華女子大学が,他の大学より低い値が出ています。こういった学校間の差について,京都光華女子大学の高野准教授からコメントをいただいていますので,後で紹介します。
講義後に「今後のペットボトル飲料の利用」について尋ねたところ,「これまでと同じ(よく利用)」と答えた学生は,7クラスの平均で8.2%と,講義前の4分の1以下になりました(無回答を除く)。また,「少し減らす工夫をしてみようと思う」と答えた学生は,全体の80%近くになり,圧倒的に多くの学生から「減らす工夫をする」との返答を得たことは,本プログラムの成果としてあげたいと思います。

表4 ペットボトル飲料の利用(講義前と後)


図5 ペットボトル飲料の利用(講義前と後,表4をグラフ化)

(3)自由記述から見える反応

アンケートには自由記述欄も設け,講義の感想だけでなく,学生たちが感じたことを自由に記載してもらいました。前期に実施した3校分について,自由記述欄に含まれるキーワードを拾い上げ,アンケートの「印象深かったパート」の選択肢と同じ分類で整理しました。図6は,比較のため,表2に記載されている「選択肢への記入」をグラフ化したものと,自由記述欄から拾ったキーワードを同じ体裁でグラフ化して掲載しています。

図6 選択肢での回答と自由記述の比較(前期実施の3校分)

上下のグラフを見比べると,「選択肢への記入」よりも「自由記述から拾ったキーワード」の方が,各校の差異が大きいことがわかります。例えば,「B2 緑茶といえばペットボトル茶しか知らない人が増えている」は,京都光華女子大学の学生たちの自由記述には多く現れますが,立命館大学の学生の自由記述では現れませんでした。京都光華女子大学の学生たちにとって,「お茶の淹れ方を知らない若者が増えている」という話題と合わせて,多くの「驚きの声」が自由記述欄に記載されていました。同志社大学の学生は両校の中間程度の記載がありましたが,その中には「そういえば,自分もペットボトル緑茶しか知らない」,または「自分も緑茶の淹れ方を知らない」といった自戒かつ率直な思いを表現した記述もありました。そのことは「日本茶インストラクターが淹れたおいしいお茶を飲んでみたい」といった記述の多さにも反映し,「B5 多くの人が緑茶の本当のおいしさを知らない」の数値を押し上げることになりました。
逆に,「B6(リーフ茶の方が)実はとってもお得」に関する記述は,京都光華女子大学が最も少なくなっています。日常的に自分で茶を淹れる,茶葉を購入する機会が,概して京都光華女子大学の学生の方が他校学生より多いのではないかと思われます。この点についても,京都光華女子大学の高野准教授のコメントで触れていただいています。

 京都光華女子大学 高野拓樹准教授のコメント

 京都光華女子大学では,附属高校での茶道(裏千家)が必修科目になっている他,大学においても,選択科目で「茶道」があり,多くの学生が受講しております。また,茶道部の活動も活発で,大学のある右京区のイベントに呼ばれることも多いようです。筝曲部や華道部なども同様に,地域のイベントに招かれています。
 本学は附属幼稚園から大学まで「伝統文化教育」を基軸に据えていますので,京都光華女子学園全体に茶道を含む伝統文化教育の雰囲気が漂っている気がします。そういった成果が数値に表れているとしたら,嬉しいことです。(高野准教授のコメント,以上)

一方,グラフ右側の「C4 (ペットボトル飲料の)消費の増加と追いかけリサイクル」と「C5(リサイクル)費用負担の不公平」は,立命館大学(産業社会学部)の学生が多くの関連コメントを記述していました。このことは,経済の側面から環境問題を捉えている表れと感じ,「実生活」から環境問題を見ていた京都光華女子大学の学生との違いが表れていると感じました。
Dの「持続可能な暮らしを考えて」のパートに関連した記述は,立命館大学と同志社大学(政策学部)の学生から多く出されました。需要創造や持続可能な社会への展望など,経済や政策に関係する話題を出したことの反映だと思います。
このように見ていくと,選択肢を設け,○を記入するだけのアンケートでは表われにくい学生たちの想いや反応が,自由記述には表れていると感じます。手書きされた自由記述を読み解き,集約し分析するには多くの労力が必要ですが,成果の把握のための有効性をあらためて感じました。

(4)効果の持続

8クラスの中で1クラスだけですが,講義後のフォローアンケートを実施しました。実施校は京都産業大学経営学部で,講義は12月8日,フォローアンケートは6週間後の1月19日に実施しました。フォローアンケート実施日は最終講義で出席者数が多く,12月8日の講義を受けていない学生も相当数含まれますが,それでも「少し減らすよう意識するようになった」と答えた学生が約半数あり,「水筒を持参するようになった」等の記述が多くみられました。

図7 京都産業大学で6週間後に実施したフォローアンケートの結果

他,今年度のプログラム実施の中で,嬉しい成果がありました。同志社大学で受講した学生の中に,昨年度少人数クラスで受講した学生が7人含まれていました※8。提出されたアンケートの中に,「昨年と同じ話だったので,違う話も聞きたかった」という感想もありましたが,「2度目なので,理解しやすかったです」「2回目ですが,興味をもって聞いていました」などの声もありました。
「嬉しい成果」は他にあります。昨年の受講後,「あまりペットボトルのお茶は買わず,自分で沸かすようになりました。」「リーフ茶の話を聞いてから,ペットボトルのお茶を買う回数を減らしています。これからも続けていきたいです。」「ペットボトルの利用が圧倒的に減りました。」などの記載があり,他の学生からも「マイボトルを持ち歩いています」などの記載があったことです。
受講後「減らそうと思う」等の感想を得ても,それが実際に実践されるのか,持続するのか,一講義だけに関わるゲスト講師にはわかりづらいことでした。フォローアンケートも6週間後のため,あまり日数が経っていません。6月27日の受講者の中に昨年度受講した学生がいることは,アンケートの自由記述を見てわかったことで,講義中彼らを意識した働きかけは全くしていません。また,学生たちにも昨年のゲスト講師(堀)が来ることは事前に案内されていませんでした。昨年度の受講から半年以上経ったこの時,上記のように本プログラムが効果をあげ,かつ持続していることがわかり,たいへん大きな成果を得たと感じています。

まとめと今後の課題

(1)成果のまとめ

ここまでに記した成果を以下に列挙します。
○今年度(平成29年度)の受講者数が,5校8クラスで900人以上になった。
○講義後のプロジェクトへの共感・関心度が,昨年度の小クラスでの実施とほぼ同様に高まった。
○講義後,「これまでと同じ(よく利用する)」と答えた学生が4割から1割未満になり,「ペットボトル飲料の利用を,少し減らす工夫をしてみようと思う」と答えた学生が8割近く(無回答を除く)に達した。
○自由記述には,選択肢記入には表れにくい学生たちの想いや,大学ごとの関心の違いが表れた。
○昨年度の受講者の声から,本プログラムが効果をあげ,その効果が持続していることがわかった。

今年度の初め,「より多くの学生を対象にした講義でも同様の成果が得られるか」,「ペットボトル飲料を減らそうという思いを引き出すことができるか」,「大学や学部,学年による関心ポイントの違いはあるか」などを明らかにすることを課題としていました。上記の成果から,予め課題にあげていたことを明らかにできたと思います。
この講座の成果や意義について,同志社大学講師(本務校大阪商業大学准教授)の原田禎夫氏と,立命館大学木原浩貴講師から以下のコメントをいただきました。

同志社大学原田禎夫講師のコメント

 同志社大学では,キャンパス内においても積極的なごみの分別が行われていたり,学生の海岸清掃ボランティアなどの取り組みも盛んに行われています。
 しかしながら,そうした取り組みの一方で,ペットボトルが実は日本の海や川のごみのうち多くを占めているということはあまり知られていません。
 その背景には,ペットボトルがきわめて身近な「当たり前」の存在となっただけではなく,小学校や中学校などの教育現場においても教材として,またクラブ活動などで欠かせない,むしろ「いいもの」として学生の中にも位置付けられていることもあるかもしれません。そうした現状を変えるためには,多様なアプローチが必要であることはいうまでもありません。
 この講義が日本茶の本場である京都の大学において「リーフ茶を淹れる」ことを通じて,環境問題を考える機会となったらうれしく思います。(原田講師のコメント以上)

立命館大学木原浩貴講師のコメント

 堀様 現代環境論でゲスト講師としてお話しいただき,誠にありがとうございました。学生からは,「1つのものに愛着を持って買い物ができるようにしたいと思いました」「消費者ニーズから大量生産が生まれるというより,需要創造から大量に生産が生まれるということにとても興味をもちました」といった感想が提出されており,多くの学生が「表面的なごみ問題の情報を知るというだけではなく,その背景にある問題構造について捉え,また豊かさとは何かを見つめる必要がある」という,堀様からのメッセージを受け止めていたように思います。また,わかりやすいプレゼンテーション資料をお示しいただき,プレゼンの仕方に関しても,学生にとって良い学びになりました。
 さて,この度お送りいただいた事後アンケートのまとめ(3大学の比較)について。「特に印象深かったパート」で,第1位は「環境負荷の大きさ」で共通していますが,2位や2位は大学によって異なっている点が面白いですね。うちの学生は,「大量生産を掘り下げると」という社会構造の部分が第2位になっており,社会学を扱う学部ですので,教員としてその部分に関心を持ってくれたことにちょっとホッとしております。逆に,他の2大学では多くの学生が選択している「どうしてリーフ茶普及なの? ②ペットボトルしか知らない」に関しては,うちの学生の選択率は低いですね。そして,他の大学ではさほど選択されていない「とってもお得」部分にうちの学生が食いついていることを興味深く思いました。大学間の差異でとりわけ面白かったのは,「本当のおいしさを知らない」部分の選択率の違いです。伺ったところでは光華女子大さんではお茶の授業があるとか。だからこそ,本当のおいしさを知らないという堀さんのお話が耳に入った時に多くの共感を呼んだのかと思います。逆に,本当のお茶のおいしさを味わったことのない人は,話だけを聞いても響かないのかもしれません。
 堀さんらが取り組んでおられる,様々なイベントで本当のお茶の味を味わってもらうという取り組みは,成果が即座に数字にあらわれるようなものではありませんが,プロジェクトを頭で理解するのではなく,心で理解して共感する人を多く育てるという点で,非常に重要な活動なのだと,この数字を拝見してあらためて感じた次第です。
 後期の講義も,どうぞよろしくお願いします。(立命館大学木原講師のコメント,以上)

(2)今後の課題

今年度,一定の効果が見られたこともあり,今後の課題として以下をあげます。
○実施回数や受講学生数など,次年度以降「数値目標」の設定を検討する。
○知人以外の大学教員にも本プログラムを受け入れてもらえるよう,内容や効果を広く伝える。そのための手法等検討する。
○内容の簡素化や教材作成などにより,実演できる者を増やす。これにより,本プログラムの理念や情報をより広く伝える機会創出をはかる。

これらのことを,本会議理事や2R型エコタウン構築実行委員らの助言を得て,検討していきたいと思います。
また,ごみ問題だけでなく,他の様々な分野の活動との協力や連携も考える必要があります。「リーフ茶の普及」を通じて,「茶」に関わる様々な団体,産地との連携をはかるとともに,「使い捨てプラスチック容器の削減」を共通課題として,「海ごみ」や「川ごみ」問題に取り組む団体やグループ,イベント等でのリユース食器の普及に取り組む団体との連携も進めて行きます。

(2018年1月31日公開)

本文以上

※1 本会議の4つの実行委員会のうち,2R型エコタウン構築実行委員会(委員長浅利美鈴京都大学准教授)の所管事業として実施
※2 環境省「平成28年度 環境・循環型社会・生物多様性白書」第2部 第3章 循環型社会の形成 第1節 循環型社会の形成に向けて「3R全般に関する意識の変化」
※3 京都市統計ポータル「平成27年度学校基本調査結果統計表(確報)」3高等教育機関。第4表大学・大学院の昼夜別学生数より。2017年8月28日確認
http://www2.city.kyoto.lg.jp/sogo/toukei/Population/Education/index.html
※4 ESD(Education for Sustainable Development)持続可能な開発のための教育
※5 SDGs(Sustainable Development Goals)持続可能な開発目標
※6 「よく利用する」は(小型ペットボトルで)1日1本以上,「時々利用する」は「数日で1本」としました。
※7 「これまでと同様に(多く)利用する」「少し減らす工夫をしようと思う」「今後も,あまり利用しない」の3択で質問しました。
※8 自由記述の内容から読み取れた人数

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