飲んでも,食べてもおいしい,心に響くお茶
日本茶インストラクター松石三重子さんとの出逢い
お茶は,飲んで,食べるもの。飲むのは当然の事ですが,食べる事が出来ると知ったのは,お茶の産地,京都府和束町在住の松石三重子さんとの出逢いがきっかけでした。
私は,ラジオパーソナリティの仕事をしているのですが,KBS京都ラジオで担当している番組(本会議提供番組「コンパクトライフで,ごみ減量」)に,日本茶インストラクターとしてご出演して下さったのが松石さんでした。
一口含んだ瞬間「おいしい!」の声
宇治茶伝道師としてもご活躍なので,「ペットボトルのお茶は,飲みません!」とか「マイボトルでお茶を飲みましょう!」と半ば頭ごなしのお話になるのかなぁ。などと,一方的なイメージが先行していたのですが,お会いした松石さんは,とても,穏やかな方でした。そして,スタジオに,急須と湯呑みをお持ち頂き,マイクの前でお茶を淹れて頂いたのです。熱く湯気が出ているわけでもないので,「え…,こんなぬるいお茶…」と思いながら,その小さめの湯呑みを口元に近づけた途端!ふわっと広がるお茶の香り。
一口含んだ瞬間,「美味しい!」と叫んでしまいました。笑顔の松石さんに「これ,高級茶ですよね」と問いかけると,「煎茶ですよ」と,またまた,嬉しそうに笑顔で返して下さいます。「煎茶?!」いつも,家で飲んでいる,煎茶とは,全く違う風味。喉を通った後に広がる,日本茶独特の甘味と深み。少し,ぬる目の適量のお湯で,じっくり淹れる。ただそれだけで,こんなにも,美味しいお茶になるのか!これは,新しい発見でした。
ひとの気持ちを解かすお茶
そういえば,以前,番組企画で,マラソンにチャレンジした時,リスナーさんが,休憩ポイントまで,急須と湯呑みを持って来て,私に,ぬる目のお茶と梅干しを淹れて下さった事を思い出しました。このお茶が,疲れた体にしみわたり,梅干しの酸味も伴って,元気が回復したのです。急須で淹れたお茶の美味しさと,「私のために,わざわざ,お茶を淹れて下さった」という,そのリスナーさんの優しさも嬉しかったのです。
私のこの出来事は,松石さんがおっしゃった「思春期のお子さんと急須で淹れたお茶を飲み,話をしてほしい」という言葉にも,通じるものがあると思います。お茶と言えば,ペットボトルの方が馴染みのある思春期の子供たち。親しい人にも,日々の言動で反発しがちです。だけど,急須でお茶を淹れるという,「ひとてま」は,相手を思う気持ちであり,茶葉に,お湯を浸す時間は,気持ちを解かす時間でもあるように思います。
食べておいしく,栄養豊富
続いて,松石さんは,「お茶は,飲むだけではなく,食べられるのですよ。」と,「茶殻をぽん酢で合えた」という物を出して下さいました。捨てるしかないと思っていた茶殻を食べるなんて,かなりの勇気がいりましたが,食べてみて,またまた,ビックリ!立派な一品です。茶葉の風味が,まるで,おひたしの様です。しかも,葉のビタミンA,ビタミンEは,溶けずに葉に残るそうなので,茶殻は,美容にも良いということです。女性には,なお嬉しい。食べない茶殻は,ガーゼなどに包んで置いておくと,防臭作用もあるという事も,教えて頂きました。スゴイ!日本茶の力!
忙しいから手間を省く生活より,少しの手間をかけて急須でお茶を淹れる時間を作る。「心が渇いた時には,急須で,お茶をどうぞ」という松石さんの言葉が,心に響きました。(2016年10月24日公開)
松石三重子さんがゲスト出演された「コンパクトライフで,ごみ減量」の内容は,下記のURLでご覧いただくことができます。
「コンパクトライフで,ごみ減量」第6回(2016年2月9日放送),京都市ごみ減量推進会議提供