リーフ茶を飲む,自分で淹れる,それって…エコだ
一目瞭然!こんなにごみが減る
ペットボトルでお茶を飲むのをやめて,リーフ茶を飲むようにしたら,どのくらい容器包装ごみが減ると思いますか?
私たちの研究室で,それぞれ7種の商品を購入して測ってみたところ,500mlのペットボトル入りのお茶からリーフ茶にすることで,なんと平均90%以上の容器包装を減らせる,という結果になりました[1]。ずいぶん減るもんですね。2Lのペットボトルになるともう少し差は小さくなりますが,それでも92%弱の減量になります。
ちなみにリーフ茶の場合は,茶葉とお湯の量の比率が,商品により好みにより違ってくるかと思いますが,ここでは基本的には商品に書かれている比率で淹れた場合で計算しています。
温暖化防止効果もすごい!
それでは,二酸化炭素など温暖化の原因となる温室効果ガスについてはどうでしょうか?
下のグラフは,私たちの研究室でお茶をペットボトルで買って飲む場合と,リーフ茶で買って自分で淹れて飲む場合の温室効果ガスの排出量を比較したグラフです[2]。液体のお茶500mlあたりで比較しています。
(図をクリックすると,大きくなります。)
上の2つは家で湯呑みで飲む場合で,上がリーフ茶から淹れて飲む場合,下は2Lのペットボトル入りのお茶を購入して飲む場合を比較していますが,約3分の1くらいになっていることがわかります。
お茶の栽培から茶葉の廃棄まで,またリーフ茶の紙袋やペットボトルの製造から廃棄・リサイクルまで,さらにお茶の充填,流通,湯呑みの製造なども含めて,お茶を飲むことによって直接・間接に出てくる温室効果ガスをできる限り全部入れるようにして計算した結果です。こうしてみると,液体のお茶の状態で長距離運ぶことが大きな影響を及ぼしていることが分かりますね。
外出する際は,リーフ茶をマイボトルに入れて
一方,下の2つは外出時にお茶を飲む場合の比較で,上がリーフ茶から淹れてマイボトルで持ち運んで飲む場合,下が500mlのペットボトル入りのお茶を自動販売機で買って飲む場合の結果です。こちらの比較でも約4分の1と大きく減っていることがわかります。またここでも輸送の影響が大きくなっていますが,加えて自動販売機の影響もかなり大きくなっていますね。いずれにしてもペットボトル入りのお茶の場合は,流通の部分の影響が大きいということです。
ちなみにマイボトルは,平均週2~3回5年間程度使用すると考えて700回使って廃棄されるものとして計算しています。そんなに使わないよ!という方もおられるかと思いますが,12回使うだけで温室効果ガスは減ります。あとは回数が増えていくにつれてどんどん減っていき,最終的に約4分の1程度になるのです。
リーフ茶の完勝。ぜひリーフ茶で!
このように,リーフ茶を飲むのはとってもエコ。ほかにも他の方が書かれているようにたくさんいいことがあります。ということで,お茶を飲むなら,ぜひリーフ茶で!(2016年10月24日公開)
[1] 大橋可奈子(2009) 容器包装の発生抑制デザインの可能性 飲料と米菓の事例を中心として,京都府立大学卒業研究論文 より筆者作成
[2] 梶川崇(2010) 容器の使用状況を考慮した緑茶・コーヒー飲料のLCA マイボトルなどの飲料容器に着目して,京都府立大学大学院修士学位論文 より筆者作成。なお,茶葉とお湯の量など,計算の前提は[1]とは必ずしも一致していない。