世界で広がる「脱ペットボトル」の動き
世界では,ペットボトルは削減すべきプラスチックのトップアイテム
世界の各地で,ペットボトルは,レジ袋と並んで,削減すべきプラスチックのトップアイテムとされています。リサイクルしても大量のエネルギー消費は免れず,自然界に残された場合の影響も問題となっています。多くの先進国では,飲用に適した水道水が供給されているため,ペットボトル入り飲料水の使用を抑制し,水道水の飲用を推進する取り組みが広がっています。
公共調達からの廃止
まずは省庁や自治体などが率先して,自らのペットボトル飲料水の利用を廃止する動きが広がっています。
アメリカでは,2007年の全国首長会議で,水道水の利用推進が決議されて以来,サンフランシスコ,ニューヨークなど多くの自治体でペットボトル入り飲料水の調達が禁止されています。
イギリスでは,温暖化対策の一環として,2008年より,すべての省庁の会議でペットボトル入り飲料水の使用を禁止しています。
特定エリアでの販売禁止
アメリカでは,2014年10月よりサンフランシスコ市が自ら所有する施設・敷地内におけるペットボトル入り飲料水の販売を禁止する条例を施行しました。同時に,すべての新設ビルに水飲み場と水筒に給水できる設備の設置を義務付けており,市内各所に給水ポイントが増加しています。
また,グランドキャニオン国立公園をはじめ,アメリカの多くの国立公園では,ペットボトル入り飲料水の販売を禁止し,来園者に水筒の持参を呼びかけるとともに,公園内に無料の給水ステーションを増設しています。
シアトル大学,ロヨラ大学(シカゴ)など,多くの大学で,学生自らの決定により,構内でのペットボトル入り飲料水の販売が禁止され,水飲み場や水筒に給水できる設備が増設されています。
自治体や水道局による水道水プロモーション
ニューヨーク市水道局は,夏の間,街中の各所に水飲みワゴンを設置し,水道水のおいしさをアピールしています。ロンドン市,パリ市などでは,デザイン性の高いオリジナル水差しを作成し,レストランやカフェでの水道水飲用推進プロモーションに使用しました。
まちのあちこちがオアシスに
シドニーやワシントンDCでは,公共の水飲み場や給水ステーションだけでなく,レストランやカフェ,ブティックなど様々な商店でも,水筒を持っている人が気軽に利用できる給水サービスを提供しています。
※詳細は,水Do!ネットワークのウェブサイトをご覧ください。(2016年10月24日公開)
http://sui-do.jp